「地獄大学」12 外食地獄
「紺野シェフが調理をしてやろう」
紺野は私の食事に大量の唐辛子を振りかけた。もちろん、私はそれを食べなければならない。外食での話だ。悪党三人組に連れまわされている間は食事にも連れていかれる。
決まって私の食事に大量の調味料を入れられる。唐辛子や胡椒が主であるがたまにタバスコだった。大量のタバスコがぶちまけられたカレーを食べさせられた時もあった。私は涙目になりながら食べさせられた。
「オラ、全部食えよ。作ってくれた料理人や食材の生産者に申し訳ないとは思わないのか」
何を言う。料理人や生産者の思いを踏みにじったのは紺野お前だよ。
食材を汚しているのはお前らだ。しかし当時の私は既に人間おかしくなってしまって何も言えなかった。元からおかしい人間だったが。
少し話が脱線するが、私は普通の人間が食べられないようなレベルの激辛や大盛といった料理や食品は口にしたくない。別に激辛や大盛を否定しているわけではない。あまりにも常識外れの激辛や大盛が嫌なだけだ。それこそ料理人や生産者を貶めていると思う。少々脱線した。
角松が大学に来なくなり、いじめメンバーの中心メンバーから外れてから(もちろん夜の暴力は続いた)紺野がリーダー格になった感がある。高岡が囃し立てて疋田もニヤニヤと同調する。そんな感じだった。
もちろん、愚論荘の高岡の部屋などでもコンビニやスーパーの弁当を買いこんで食べさせられる時もあったが同じく私は大量の調味料を振りかけさせられて食べさせられた。
宅配ピザで頼まされた時もあったが同じく添付の唐辛子を私だけ大量にかけられた。
もちろん、代金は私持ち。
散々なことが続いた。私も気が触れ始めていた。その状況が多少は変わる出会いがあったのだ。次回で。