「地獄大学」21 中高時代の記録まで踏みにじられる①
もう少し、ネガティブな話をさせてほしい。ここまで来たら出来る限り情けない私の恥部をさらけ出す。読者の皆さんは情けない私を徹底的に反面教師にしていただきたい。
「おいsiroukii、今度帰省する時、中学校と高校の卒業アルバムを実家から持ってこい」
紺野は私に言い放つ。
は?なんだそれ。嫌だというと拷問にかけられた。
そんな折、父親から電話があった。
「母さんが具合が悪くなった。帰ってきてほしい」
帰省することにした。タイミング悪いことに悪党連中に呼び出しを食らったので帰省するから行けないというと念を押された。
「アルバムを持ってこい」
と。このまま忘れてました状態にしようと思ったが駄目だった。
片銀駅に行き、東京行きの夜行バスのチケットを購入し発車時刻の夜まで待った。
発車時刻まで缶ビールと日本酒ワンカップとつまみを購入し発車時刻まで駅の片隅でチビチビとやった。夜行バスに乗るときはいつもそう。酒を飲まないとやっていけない。
今もそう。私の肝臓は大丈夫だろうか。今は毎日は飲んではいない。しかし肝臓は悪くなっているんだろうな。減酒はしているが禁酒までは至っていない。
さて、そろそろ夜行バスが来るかな・・という頃、バスの発着場に向かった。
「!」
そこへ嫌な予感がしたと思ったらあった。疋田の車が。
高岡と疋田が車から出てきた。私はダッシュで発着場へ向かった。
二人は追いかけてくる。バスを見つけて飛び乗った。
「〇〇県の土産を~!!」
高岡はバスの外でわめいていた。他の乗客がいるというのに・・。
私は座席に座ると顔を伏せてやり過ごした。さすがにバスの車内までは入り込んでこなかったが。全くこんなところまで・・なんてしつこい連中なんだ。
バスは東京に向けて出発した。
夜行バスは終点の東京まで長い旅を続ける。朝には東京駅八重洲南口に着いているという便利な夜行バスだ。この夜行バス路線と東京駅八重洲南口は私にとって深い思い入れがある。大学時代、実家と片銀市を行き来したバスと場所だからだ。
とにかく鬱々とした気分で東京駅の朝を迎えた。そこから電車を乗り継ぎ、実家へ向かった。