大学進学へ向けて②
高校の同級生の潮田君(仮名)は私と同じくA校を受験し落ちた。A・B両校とも受験会場は東京の某会場だった。場所は失念した。その時は二人とも余裕だった。何とかなるだろうと。しかし落ちたことで残るはB校のみとなった。さすがに余裕なく私も潮田君も東京の受験会場へ向かうにも電車の中でも駅トイレの中でも顔面蒼白で会話もなかったことを覚えている。小論文と面接。運転免許や資格試験とか極度に緊張する。
人生かかっているから当たり前か。午後の面接では7~8人が部屋に呼ばれて面接官の質問に一人づつ答える。私は高校の面接対策指導で他人の受け答えに共感するべく頷けと教わった覚えがあるのでウンウンと軽く頷いた。それが功を奏したか分からない。
大学入学後、分かったことだがB校で私を痛めつける悪党連中の一人が私の面接グループの中にいた可能性が高かった。受験番号からだ。嫌な縁が出来たもんだ。
そう、いつまでもB校とは言っていられない。後に地獄の舞台となる大学名。
それは「片銀大学」。もちろん仮名だ。そのまま読んで某動物の名前で。もちろんペンギン。
好きな動物なので(笑)適当かな。
大学の所在する街や件名も同じく片銀県片銀市と仮定する。
もちろん、実在する名称は伏せる。
高校の職員室前の廊下に各自、進学が決まった大学や短大の名前と氏名が張り出された。
「片銀大学 合格 潮田 shiroukii」
潮田君と喜びを分かち合った。
私はかすかにいや、大いに優越感に浸った。わずかの間だが。
後に私は地獄の四年間が始まるとは知らずに。