恋愛しくじり④ 職場の女性
これは私の恥の話である。女性側を不快にさせてしまった話である。
職場恋愛・会社恋愛。
出会いとしては最高である。学生恋愛と同じく。
出会い系と違って素性が分かるし
仕事や学業を通じて「同志」として信頼が強いし
何より好みのタイプを直接確認できるのが良い。
でもそれはコミュニケーション能力の高い人だからできることかもしれない。
仕事ができて勉強も優秀で。それなら職場や学校内の恋愛も様になるってわけで。
私のような恋愛経験もないコミュ障が職場恋愛なんて百年早いという実例なのだ。
私が勤める施設の別の系列施設に勤めていた時のこと。
期間限定で応援に来てくれていた職員の女性がいた。
私にとって好みのタイプであり、要するに「惚れて」しまった。
彼女の名は田村さん(仮名)。
手っ取り早く言えば彼女と仲良くなりたくて彼女に自分のメールアドレスを書いた紙を渡してしまったのだ。
彼女の勤務する日はいつなのか?棟が別だから直接知る由もなく。
だから私は彼女の勤める棟によく確認しに行ったものだ。キモかったよな。
だから夜勤明けの日でも休みの日でも夕方に忘れ物を取りに行ったとか、仕事上の確認のためとか理由をつけて施設を訪れていた。ああキモい。
彼女が勤務しているとみると私は自分のメアドを書いた紙を彼女に渡した。
最初は笑顔で受け取ってくれた。
しかし私の携帯にメールがが来ない。普通ならメールが届くはず。
届かないのは私に興味のない証拠。それが私には分からなかった。愚かだった。
ああ田村さん・・・。私は身を焦がしていた。キモイよなあ。
業を煮やした私は彼女に真意を確かめるべく、再び自分のメアドを書いた紙を携えて
夜勤明けの日の夕方、施設を訪れた。
田村さんを見かけた。彼女は私を見るなり
「メアドのアルファベットが不明瞭なんだけど!何を書いてあるか分からない!」
と一喝した。
分かりやすく書いたつもりである。しかしそれは私に興味がないからこそなのだ。
怒った田村さんだがせめて表向きの断り文句で字が汚いから読めないとハッキリと断ったのだ。
ハッキリ言う。私が馬鹿だったのだ。
それに、夕方私が施設内をウロウロするので
他の事務職員などから不審がられていた。
部外者の不審な男がうろついているとの情報があったらしい。
私のことだった。私だと分かって事務職員は安心していた。
全く私はロクなことをしない・・・・
恋愛マニュアル本などではよくこう書いてある。
「女性は一度の誘いは断る。軽い女だと思われたくないからだ。二度誘え。
そうすれば相手が強引だったからと理由をつけることが出来て女性は乗ってくる。
一度断られたくらいで諦める男性は女性から信頼されない」
私はそんな謳い文句を真に受けたのだ。
そのようなケースが通じるのはコミュニケーション能力の高い恋愛上手な男性だからこそ通じる訳で。
私のような同性の友人ですらまともに作れない男が恋愛なんて百年早かったのだ。
やはり学生時代など若い頃に恋愛できなかった人間が大人になって恋愛デビューしようとすると本当に痛い行動に出てしまう。
私は恋愛とか異性の気持ちとか若いうちに学ぶべきなのにそれができなかった。
前記事の「恋愛しくじり③」を見ても分かるが私のような人間が異性に想いを募らせるとストーカーまがいの行動に出てしまう。恐ろしい。
田村さんと仲良くなりたいから彼女はどこにいるのか、探偵を使いたい衝動に駆られたことがある。そこまでしてしまう心理。
田村さんには本当に申し訳ないことをしたと思っている。
若いうちに恋愛を通じて異性の気持ちとかを学べないということは不幸そのものなのだ。
同性の友人選びに失敗して酷いいじめにあって恋愛どころではない状態は不幸そのものなのだ。
読者の皆さんは馬鹿な私を徹底的に反面教師にして人間関係の構築に気を付けてもらい、幸せな人生を送ってもらいたい。