金の無心のエスカレート。私は壊れ始める。
今まで富永にネチネチと絡まれて色々な理由をつけて金を無心されてきた。
親戚の人が怪我をしただの、消費者金融の取り立てからしつこく言われているだの
挙句の果てはヤクザまがいの怖い先輩を怒らせてしまうから金を出してくれだの
自宅や職場に押しかけられたことがある。
職場に?同じ職場ではないの?と思われるかもしれない。
系列の別施設に異動になったのだ。まだバイトをしていた頃だ。
ほとほと富永に愛想を尽かしていた私には吉報であった。
「ちゃんと(異動の件は)断りましたよね?」
富永は早速メールを入れてきたが私は受け入れると自信満々で返信した。
新しい施設では今までの施設と違って介護の居住形態からして違う。色々と苦労した。
しかし今の形態の施設のほうが私になじんでいると思っている。
しかもそんな仕事中なのに施設内にまで押しかけ来た時にはびっくりした。
富永の車に乗せられてコンビニに行かされてATMで金を下ろしてくれと長い時間説得されたこともあった。私は隙を見て富永の車から飛び出して近くの細い道に飛び込んだ。
富永はすぐに車を発進させて車を止めた。車から飛び降りて追いかけてきたが細い道のために諦めた。
職場近くのグラウンドに呼び出されて金の無心。夜中ながら私と富永は怒鳴りあった。
自宅にまで押しかけられたこともある。数回。
逃げたこともあるし、仕方がなく金を差し出したこともある。
あまりのしつこさに札を富永にぶつけたこともあった。
とにかく気が滅入るのだ。どうにでもなれという気分にさせられる。
お引き取り願うためにも金を差し出すという選択肢もあるのだろう。
「俺はな。お前にお金を払うために必死に働いているんじゃないんだよ!!」
もうノイローゼ気味だった。
「俺も金融業者に金を払うために必死に働いているんじゃないんだよ!!」
富永もオウム返しをする。金融業者に払う?嘘である。パチンコ代である。
ギャンブルはここまで人をおかしくするのか。
挙句の果てには
「siroukiiさんにひもじい思いをさせて私は情けなくて・・・」
「私はsiroukiiさんを信頼しているから・・・」
どの口が言う・・。
金の無心の話はこれくらいにする。
思いつめた私は「いのちの電話」に電話したことがある。
もちろん、〇殺するつもりはない。そんな度胸もない。
電話の相手の相談相手は心配してくれた。業務上だろうけどやはり話を聞いてくれるというのはやはりいいもんだ。
吐き出せる相手がいるということは大切なのだ。
大学時代の前園君(仮名)がいい例だ。前園君がいなかったら私はこの世にいなかった
かもしれない。
そしてまたしても祈祷に頼ってしまった。
もう詳しくは書かないが、暦本の発行元だ。私は暦本を愛読していて毎日の参考にしていた。(今も)
祈祷者は優しく相談に乗ってくれた。料金は取られた。
現在のところ、宗教祈祷に頼ったのはこれが最後だ。
そして富永はまたしてもメールをよこしてきた。
「金融業者から金を催促してきた・・たすけて」
と。
この時、私は決心した。
もうキリがない。富永と縁を切ろうと。
このままでは財産全て奪われかねない勢いだ。
すぐに実行に移した作戦がある。
「富永完全無視作戦」だ。
それはそれで長い闘いであった。
次回からはそれを記事にしていきたい。
少し更新が滞った事はお詫びしたい。